初めてThe ピーズを聴く人におすすめのアルバムは「The ピーズ」

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The ピーズと言えば、知る人ぞ知るジャパニーズパンクの至宝。1987年のバンド結成以来、活動中止機関を挟みつつも、活動を続けています。多くのミュージシャンに影響を集め、錚々たる面々から熱いリスペクトを受けるThe ピーズですから、「聴いてみたい!」と考えている人も多いはず。

一方で、ピーズは活動期間が長く、多くのアルバムをリリースしているので、「どれから聴けば良いの?」と悩む事もあるものです。そこで今回は初めてピーズを聴く、ピーズ初心者におすすめのアルバム「 The ピーズ 」についてご紹介していきます。

初めてのThe ピーズなら名盤「The ピーズ」がおすすめ

アルバム「The ピーズ」の基本情報

名盤「The ピーズ」がリリースされたのは2003年のこと。彼らは1997年に活動を中止しており、2002年に再開、その後にリリースされた再開後初のアルバムです。

フロントマンである大木温之は1965年生まれなので、38歳の時にリリースしたアルバムということになります。まあ割と大人な年齢ですよね。そんな大人が、酸いも甘いも噛み分けて、活動休止期間を経たのちにリリースしたアルバム。名盤でないはずがありません。

アルバム「The ピーズ」のおすすめポイント

アルバム「The ピーズ」が活動休止期間を経てリリースされたのは先にご紹介した通り。活動休止以前の歌詞にはヒリヒリするような痛みを感じるようなモノも多かったのですが(それはそれでカッコ良い)、本アルバムからは、少し力の抜けたような印象を感じます。

例えば1曲目の「生きのばし」の歌詞は「死にたい朝まだ目ざましかけて明日まで生きている」から始まります。

「死にたい」のに目覚ましをかけてしまう、ある種コミカルな、とはいえ、「そんな朝もある…」とダメな大人はイヤになるほど共感させられる歌詞。このひねくれた可笑しみは「ピーズ最高!」と思わせてくれます。

終盤の歌詞は「乾けセンタクもん でまた明日 どこまでもぬるい景色 今にみろで過ぎてゆく あの日あの空拝めるのは あの日のボクらだけ 精々 生きのびてくれ」です。

パンクなのに「乾け センタクもん」と言える境地。このピーズならではの唯一無二の世界感。1曲目から最高です。

アルバムの最後を飾るのは名曲「グライダー」。「燃料タンク 地図 ナビゲーター ハナから無いよ しまいまで ハタから見りゃそらのんびり でもとっくにギリギリなんだ」なんて歌詞、心にささらずにはいられません。

これら歌詞を支えている、ある種キャッチーで、重厚で、なおかつ熱いメロディもポイント。The ピーズの世界を堪能できます。

The ピーズが気に入った人におすすめのアルバム

The ピーズ:グレイテスト・ヒッツ VOL.1

ピーズのくだらないけどグッとくる歌詞が気に入った方はデビューアルバムの グレイテスト・ヒッツ VOL. 1をチェックしてみてください。ベスト盤みたいなタイトルですが、通常のアルバムです。

聴きどころの1つがピーズを代表する曲でもある「バカになったのに」です。「進学校の悲しみ あほ不足 パンチパーマでパンク しらふでバカ」と、なんとも言わせない歌詞が最高です。その後は「中学まではまともだったまともだったのに さんざんムリしてバカになった」と続いていきます。

The ピーズ:日が暮れても彼女と歩いてた(シングル)

名曲「グライダー」に代表されるピーズの重厚な音楽を楽しみたい方におすすめなのが、シングル盤の「日が暮れても彼女と歩いてた」です。本来ならばアルバムを紹介したいのですが、2007年に再録されたこのバージョンはシングルでしか聴くことができません。

もともと人気の高い楽曲だったのですが、絲山秋子の小説「逃亡くそたわけ」の映画化とバンド結成20年という節目に伴い再録されました。アルバム収録時よりも音が太く、演奏がタイトになっており「これぞピーズ!」という雰囲気がムンムン。楽曲の良さをより引き出しています。

2曲目は疾走感あふれる「脳ミソ(Live Version)」で、3曲目はリミックスバージョンの「グライダー」。これがまた音が太くてカッコいい。ピーズ入門としてもおすすめな1枚です。

クリトリックリス:ROAD TO GUY(ロード トゥ ガイ)

The ピーズのダメな大人感に心惹かれる方にはクリトリックリスがおすすめ。広告会社のサラリーマンを経由して、パンイチで熱唱する道を選んだという異色のおっさんが悲哀のこもった素敵な歌詞を熱唱します。ある種の部分ではThe ピーズを超えるパンチの強さ。ぜひ聴いてみてください。

ちなみに下の「おっさんライオット」は今のところCDではリリースされていません。早くリリースされないかな。

The ピーズをぜひ聴いてみて

以上、The ピーズを始めて聴く方におすすめのアルバム情報でした。可笑しみもありつつ深い歌詞、重厚感ある楽曲、儚い歌声など、The ピーズにしか出せない世界が間違いなくあります。ミュージシャンにファンが多いというもの納得。日本のロック好きであれば、必聴です。

最後に余談ですが、ピーズとの思い出についてご紹介。ピーズを聴き始めたのは再結成後のことです。当時の私は大学院におり、研究は上手くいかない、彼女にフラれる、就職もどうなるかわからないという3重苦の下にいました。

とにかく絶望的な日々。最低の人生のように思えていました。そんな気分をなぐさめてくれたのがピーズの存在。名曲「じゃますんなボケ(何様ランド)」を爆音で聴いたり、「シニタイヤツハシネ」を大声で歌ったり(今思い出すと「青いなぁ…」と恥ずかしくなりますが)。

まあ、なんだかんだと大学院を修了し、就職を決め、それなりに楽しい日々(イヤなことも沢山ありますが、それはそれ)を過ごせているのはピーズのおかげと勝手に思っています。

なんかイヤなことが重なって絶望している人も、「絶望しきる前にピーズを聴いて欲しいな」なんてことを思ったりするワケです。

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