初めてVelvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)を聴く人におすすめのアルバム

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バナナのジャケットでおなじみのVelvet Underground(ヴェルヴェット・アンダーグラウンド)。ロックの名盤100選などに必ずと言ってよいほど挙がるので、気になっている方も多いのでは?そんな彼らですが、最初に聴くならバナナのアルバム(1st)ではなく、2枚目に発売されたWhite Light/White Heat(ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート)がおすすめ。その理由やおすすめポイントについて解説していきます。これからVelvet Undergroundを聴いてみたいという方はぜひ参考にしてみてください。

初めてVelvet Undergroundを聴くなら名盤White Light/White Heat(ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート)がおすすめ

ホワイトライトホワイトヒートの基本情報

ヴェルヴェットアンダーグラウンドといえば、やはり1st(1967年リリース)のバナナジャケットのイメージが強くあります。とはいえ最初にヴェルヴェットアンダーグラウンドを体験するのなら2ndのホワイトライトホワイトヒート(1968年リリース)がおすすめです。

1stのジャケットをデザインしたのはポップアートの旗手であるアンディ・ウォーホル。なんだかんだと喧嘩別れして、リリースされたのがホワイトライトホワイトヒートとされています。

バナナのイメージを払拭するためか、ジャケットは真っ黒。左下を良く見ると誰かの腕とタトゥーらしき模様が見える程度です。

内容はとにかく実験的。ノイジーで変態的で「これぞヴェルヴェットアンダーグラウンド!」といったモノ。後のバンドに多大な影響を与えました。このアルバムが好きか否かで、ヴェルヴェットアンダーグラウンドが好きか否かがはっきりとわかれます。

本アルバムを最後にサウンドの一翼を担っていたジョン・ケイルが脱退。以降のアルバムはヴォーカルでるルー・リードらしさが色濃くでたロックバンドへと変貌していきます。まあそれはそれでカッコ良いのですが。

なお、ホワイトライトホワイトヒートにはレアバージョンなどを多数収録した40周年記念盤などがありますが、初めて聴く方にはまったくもっておすすめできません。完全にマニア向けの製品なので、タルい…となってしまうはずです。

それらを聴くのは4枚のスタジオアルバム(バンドとしては5枚のアルバムを残していますが最後の1枚はなかったことになっています)をすべて聴いてからで問題ありません。まずは通常版を手に取ってみてください。

ホワイトライトホワイトヒートのおすすめポイント

1曲目のWhite Light/White Heatから、最後のSister Rayまでとにかく捨て曲無し。ノイジーで、サイケデリックで、実験的で、ロックンロールな曲が続きます。

それだけのインパクトがありながら全体的にどこかキャッチーなのは、現代音楽への造詣が深いジョン・ケイルと数々の美メロを生み出してきたルー・リードの奇跡的な組み合わせがあったからこそなんでしょうね。

Sister Rayはなんと16分にも及ぶ大曲。聴くのにちょっと体力が必要なほどですが、聴き終わった瞬間には「うぅぁー、ヤバい……」という言葉がもれるはず。ヴェルヴェットアンダーグラウンドの真骨頂です。

なお、Sister Rayにすっかり心を奪われた方はザ・クワイン・テープスというCDを見つけ出して聴いてみてください。

リチャード・ヘル&ヴォイドイズのギターとして活躍したロバート・クワイン(筋金入りのヴェルヴェッマニア)がヴェルヴェットアンダーグラウンドのライブ会場に通っては撮りためていたという伝説的なテープで、40分近くにおよぶSister Rayのライブバージョンが収録されています。

まあ、めちゃくちゃ音が悪いので万人にはおすすめできないのですが…。なお、ロバート・クワインはルー・リードの後ろでギターを弾いていたこともあります。

ホワイトライトホワイトヒートが気に入った人におすすめのアルバム

Velvet Underground & Nico

おなじみのバナナのジャケットの1stです。ルー・リードとジョン・ケイルという天才2人が組み合わさり、後のホワイトライトホワイトヒートへと続く独特の音楽を聴かせます。ところどころにNICOによる猛烈に暗い曲が入っていますが、それもまたアクセント。まあ、好みは分かれるところでしょうが。

写真はレコードで一応バナナの部分が剥がせるタイプのモノ。中古で購入したのですが、前の持ち主が一度剥がしたようで、そのあとが残っています。

ちなみにNICOはチェルシー・ガールというソロアルバムを出していて、そこでもやたら暗い歌声を披露しています。曲を提供しているのが、ルー・リードやジョン・ケイル、ボブ・ディランなどやたら豪華で、けっこう名盤です。

No New York(ノー・ニューヨーク)

ホワイトライトホワイトヒートのガチャガチャした演奏が気に入ったのなら、コンピレーションアルバム「ノーニューヨーク」を聴いてみてください。

アルバムがリリースされたのは1978年のこと。ヴェルヴェッがまいたノイズミュージックの種が10年たって見事に花開いた感じの1枚です。内容はとにかくガチャガチャとしていますが、それでいて妙にカッコ良く仕上がっているのはプロデューサーのブライアン・イーノの手腕でしょうか。

参加ミュージシャンはザ・コントーションズ、ティーンエイジ・ジーザス・アンド・ザ・ジャークス、マーズ、DNAとノーウェーブを代表する凶悪な面々。上記は裏ジャケなのですが、まあ見た目的にも凶悪ですよね(特にアート・リンゼイ)。ちなみにDNAでドラムをたたいているのは日本出身のイクエ・モリさんです。

Sonic Youth(ソニックユース):Washing Machine(ウォッシングマシーン)

ヴェルヴェットアンダーグラウンドのノイジーさを引き継いだバンドといえばやはりソニックユース。彼らのアルバムはポップなモノからノイジーなモノまで様々ですが、ウォッシング・マシーンはノイズよりです。

アルバムの最後を飾るダイヤモンド・シーは曲の途中からノイズが炸裂。曲の長さは19:35にも及びます。少なからずホワイトライトホワイトヒートやSister Rayを意識したのでしょうね。

ヴェルヴェット・アンダーグラウンドをぜひ聴いてみて

以上、初めてVelvet Undergroundを聴く人におすすめなアルバム、ホワイトライト・ホワイトヒートのご紹介でした。かなり強烈なアルバムなので、聴く人を選ぶのですが、好きな人にはたまらない独特の世界がここにあります。もし気に入ったのなら、おすすめしている他のアルバムも聴いてみてください。きっとドはまりするはずです。

なお、当然ながらVelvet Undergroundのライブを見たことは無いのですが、ルー・リードのライブは幸いにして観たことがあります。時は2004年、フジロックグリーンステージのトリとして出演していたんです。

Velvet UndergroundもLou Reedも大好きな私は、ステージ前方でライブを楽しみにしていました。レジェンドだし混むだろうと思っていたのですが、いつまでたっても人が集まらず…。私が体験したグリーンステージトリの中では最高にスカスカだったことを思い出します。

ひねくれもののルーですから、セットリストはかなり渋め(というか超地味)でした。まあ、それでもルー・リードのライブを観た興奮は未だに良い思い出です。

なお、ルー・リードは2013年に亡くなってしまい、2004年のフジロックが日本で行われた最後のライブになってしまいました。ライブは見れるときに見るというのが鉄則ですね。

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