おそらく今BOaTを検索している皆さんは、1990年代後半から2000年代初期にかけて駆け抜けた伝説のバンドBOaT(ボート)の現役世代ではないかと思います。そして彼ら・彼女らのことについて知りたいと思っているはず。そんな皆さんにおすすめのアルバムはLISTENING SUICIDALです。BOaTの名盤といえばROROが有名ですが、最初に聴くなら LISTENING SUICIDAL 。その理由についてリアルタイムで彼ら・彼女らをおいかけたオジサンが紹介してきます。
BOaTの1枚目なら名盤「LISTENING SUICIDAL」がおすすめ
LISTENING SUICIDALの基本情報
LISTENING SUICIDALはBOaTの3枚目のアルバムで、2000年にリリースされました。当時はフジロックのトリをブランキーとミッシェルが担当。一方で、くるり、スーパーカー、ナンバーガールなど、日本のロックバンドが名作を次々とリリースし、それなりにヒットしていた時代です。
そんな中でリリースされたLISTENING SUICIDAL。コレだけポップでロックなバンドは他になかったので「お茶の間にもロックが届くに違いない!」と鼻息荒く興奮したモノです。まあ、残念ながらそうはならなかったのですが。
インディーズ時代のフルーツ・リー、Soul. Thrash. Train.と聴いてきた当時(いずれも曲は良いけど録音はイマイチ)からすると、録音状態もすごく良かった本アルバムは感動的ですらありました。
LISTENING SUICIDAL のおすすめポイント
LISTENING SUICIDALの良さはとにかくポップでロックでサイケデリックで強烈にエモくてやっぱりポップということだと思います。インディーズ時代のボートはポップかつロックな感じがウリでした(ライブとか最高だったな)。一方、ラストアルバムで名盤として評価の高いROROはとにかくエモいアルバムです。
その中間地点に位置しているLISTENING SUICIDALはポップさは残しつつ、自身の音楽性を猛烈なまでのエモさへと昇華させているサナギのような状態。ギリギリの、奇跡のバランスを感じさせます。
1曲目のLISTENING 40 (burn up the club ’99)はこれまでの作品のようなハチャメチャさを感じさせるインスト。2曲目のPLANET FOXYで一気にエモい世界へなだれ込みます。
3曲目はボートの代表曲ともいえる狂言メッセージ。ポップでかつサイケな世界を見せたかと思うと、4曲目のグッバイ・マイ・ストレンジ・ナンバー28、5曲目の銀色うつ時間と、独自の世界を突っ走ります。
11曲目には猛烈にエモい雲番人Bと釣り人Aというインストの名曲で後のROROにつながる世界を見せつけます。そのままアルバムを終了させればよいのにと思いつつ、12曲目のDON’T YOU、13曲目のLISTENING 40 (close your eyes ’00)で昔ながらの面白みのある曲を入れているのは照れ隠しなのでしょうか。まあ、そんなところも含めてBOaTらしさが詰まっています。
ちなみに、私が持っている初回限定版には8cmのオマケCDがついていて、Theme Of BOaT、I Can See The Radio Wave、Night Hawk Nightの3曲が収録されています。いずれも名曲なので、LISTENING SUICIDALが気に入った方は探してみてください。
LISTENING SUICIDALが気に入った人におすすめのアルバム
続いてはLISTENING SUICIDALが気に入った方にぜひ聴いてもらいたいアルバムを紹介していきます。
BOaT:Soul. Thrash. Train.
BOaTならではのポップさがゴリゴリに出ているアルバム。最初に聴くべきはこっちかななんてことも思ったほどの名盤です。
学生ノリをかんじさせるOPENING 13から始まって、アインちゃんのかわいさがたっぷり詰まったKILL/KILL (I WANNA QUILL YOU, WHAT DO YOU WANT?)へとなだれこみます。この瞬間だけでも未だにグッときます。
BOaT:ROWROW
BOaTのラストアルバムであるROROと同時に発売された、ROWROW。アナログ限定だったため、あまり出回ってはいませんが、コレがまた素敵な内容です。
このアルバムがリリースされる直前、福岡で彼らのライブを観たのですが、ボーカルのASE(AxSxE)氏が「ロロではなくロウロウを聴いてくれ!ロロではないぞロウロウだ!!」と繰り返し叫んでいたのを覚えています。
それでリリース直後久留米のCDショップ「新星堂」で買ったような記憶があります。当時(2000年頃)の久留米駅前にはCDショップなんかもあって、けっこう素敵なレコード(フィッシュマンズの宇宙 日本 世田谷)なんかも売ってたのです。今やネット通販全盛で、街のCDショップには行かなくなってしまいましたね…。残念な気持ちになるのはオジサンになったからだと思います。
収録されているのは以下の4曲。
- Listening 0
- Akiramujina
- All
- 雲番人Bと釣人A (Transparent Cheech Education Beta Mix)
名曲、雲番人Bと釣人Aのリミックスが収録されています。
ちなみにBOaTは上記のようなアナログもリリースしています。Listening Extra -Addicted To Measure The Length Of Smoke-。リミックス集です。コレも久留米のレコ屋にて手に入れたもの。たまたまレコード棚をあさっていたら、たまたま見つけ、慌てて購入しました。そんな偶然の出会いがある時代だったんですね。
The Flaming Lips:YOSHIMI BATTLES PINK ROBOTS
ポップでキュートでサイケでエモいアルバムと言えばやはりフレーミングリップスのヨシミバトルズピンクロボッツを忘れれるワケにはいきません。このアルバムの魅力はキュートさとエモさも奇跡的なまでのバランスです。とりあえず下の曲を聴いてみてください。
フレーミングリップスに関しては別のブログで紹介しているのでぜひそちらもチェックしてみてください。
BOaT(ボート)をぜひ聴いてみて
以上、90年代末から2000年初期を駆け抜けた奇跡のバンドBOaTのおすすめアルバムであるLISTENING SUICIDALの話でした。
このアルバムがリリースされてから、ずいぶんと時間が経ちましたが、いまだにコレを超える、ロックでポップでキュートなアルバムはリリースされていない気がしています。なかなか入手困難な状況が続いていますが、何とか手に入れて、ぜひ聴いてみてください。「2000年頃ってこんなバンドが居たのか!」とぶっ飛んでもらえるはずです。
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